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VR×映画~今までにない映像体験で映画自体が変わる!

VR×映画~今までにない映像体験で映画自体が変わる!

VR×映画~今までにない映像体験で映画自体が変わる!
株式会社 eje VR推進部 執行役員 待場 勝利

今年4月VRワールドをステージにしたスティーブン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレーヤー1』が公開。また、6月アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショートフィルムフェスティバル & アジア2018(以下:SSFF & Asia)」で国内の映画祭として初めてVR部門が設立された今、新たにVR映画が歩み出そうとしている。この部門のアドバイザーに就任し、数々のVR映像作品をプロデュースしてきた株式会社ejeの待場氏にVR映画の魅力とその可能性を語ってもらった。

VR映画の定義は、「没入感」「ストーリー」「VR・HMD体験」でストーリーテリング!

VR映画の現状を教えていただけますか?

そもそもVR映画とは何なのか?まずVR映画を定義づけすると、①「没入感がある」②「ストーリーがある」、③「VR・HMD(ヘッドマウントディスプレイ)で体験する」。この3つの要素があるものをVR映画と呼びたいと思います。

VR映画は、通常のスクーリーン映画より、制作工程は増えるのですが、尺は短いものが主流で、15分くらいがスタンダードです。2年前に比べると尺が伸びて来ていてアメリカでは40分の作品も出てきています。VR映画はまだ始まったばかりで、制作面でもビジネス的にも確立されていないのが現状です。今回、SSFF&Asiaのアドバイザーを務めるにあたり海外の映画祭を多数視察する中で、VRでストーリーテリングのある映像作品はいろいろな国で制作されている実感はあります。いろいろな国のクリエイター達がトライ&エラーを重ねながらストーリーを製作しているのが現状です。VRを使った映画が今までの伝統的な映画の表現方法を超えた革新的な映像表現として、今始まろうとしています。

VRテクノロジーを駆使した新しいストーリーテリングのカタチ!

VR映画の魅力とは何でしょうか?

VR映画は、HMDによって没入することで、360度の視野が全て映像になります。別世界に連れて行かれる感覚の中でストーリ ーが展開するというのは今までにない映像体験です。例えば、6Dof(6方向に自由に動けること)のVR技術を使うと映像世界の中を歩けたり見回せたり、キャラクターに近づいたりすることもでき、VRというテクノロジーを使った新しいストーリーテリングが可能です。

今まで体験したことのない映像体験というのがストーリーと合わさった時にどんな世界が来るのだろう?というワクワク感があります。観るところによってストーリーが変化する、観るところによって感じ方が変化する映像作品が出来るのは、映画の考え方自体が変わってくると思います。

ウルトラマンゼロVR

VR映画は、映画祭→映画館→ネットカフェ→そして家庭へ!

VR映画はどこで観ることが出来るのでしょうか?

今まさに多くのVR映画が世界の映画祭(カンヌ映画祭、ベルリン映画祭、ヴェネチア国際映画祭、サンダンス国際映画祭等)に集まって来ています。また、日本においては私たちがネットカフェで最新のVR体験ができる店舗常設型VRサービス「VR THEATER」を全国に展開しています。このネットカフェでのVR体験はお客様に親しみ易く自然でした。

7月から東映さんが新宿で「映画館でVR!」の上映がスタートしました。サウンドは映画館の音響設備を利用しているため、大迫力でヘッドホンなしで体験できます。更に、ワイヤレスで多人数が同時視聴可能になっているのも魅力です。VR映像を観ることのできる場所はお客様に合わせて違います。家庭では体験できないリッチなコンテンツもあります。最終的には、VR・HMDを各家庭でPCのように一人一台の時代が来ると思います。

VR映画で人生が変わる作品を創ってみませんか?

VR映画の今後の可能性を教えてください

物語を語るメディアとしては始まったばかりのVRですが、今後多くの驚きと感動を伝えてくれる作品が世界でどんどん制作されると思います。今、VRと映像は出会ったばかりです。今から約120年前に映画が誕生した時期とどこか似ていると感じます。VRを使ってどのような映像表現ができるかを多くのクリエイターたちが試行錯誤しています。映画の創世期と同じように、映画という形が物語を語るために長い年月を要したように、VRでも少しずつ物語を語る方法を見つけようとしています。更に、VRの作り手がVR映画の楽しませ方を見つけるばかりでなく、VR体験する皆さんも、楽しみ方を発見して初めて完成するものだと思います。今後もVRテクノロジーを駆使した新しい映画が数多く出てくるのを楽しみにしています。是非皆さんもVR映画で人生が変わる作品を創ってみませんか?

株式会社 eje VR推進部 執行役員 待場 勝利
大学を卒業後、アメリカで映画製作を学ぶ。TVディレクター、20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパンで日本語版プロデューサー、サムスン電子ジャパンではGear VRを担当。2016年から株式会社ejeでVRのコンテンツに関わる。数々のVR Projectを担当し、ejeではVR CRUISEとVR THEATERの運営に携わっている。

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