技術ブログ
開発者の目線から見る『Oculus Quest2(現:MetaQuest2)』への期待とVRのこれから
2020/10/15
先日2020年10月13日に『Oculus Quest2(現:MetaQuest2)』の発売が開始されました!
本記事では、技術者目線でOculus Quest2(現:MetaQuest2)への期待やこれまでとの変化についての考察を行います。
Oculus Quest2(現:MetaQuest2)とは
Oculus Quest2はスタンドアローンで使用できるVRヘッドセットOculus Questの最新型となります。
以前はOculusからの購入のみ一部Amazon等で購入可能という入手経路だったのですが、今回は家電量販店での販売が行われています。そして値段もVR機器としては性能を考えると圧倒的に安価なものとなっています。
このOculus Quest2がどれほどの性能なのかを見ていき、これからのVR開発の発展について記していこうと思います。
Oculus Quest2のスペック比較
旧型Questとの比較
項目 | 新型(Quest2) | 旧型(Quest) |
---|---|---|
プロセッサ | Snapdragon XR2 | Snapdragon 835 |
ディスプレイ | 液晶(高速スイッチLCD) | 有機EL |
解像度 | 1832 × 1920 | 1600 × 1440 |
メモリ | 6GB | 4GB |
リフレッシュレート | 72Hz 将来的に90Hzに対応予定 | 72Hz |
バッテリー | ゲーム2時間/動画3時間 | ゲーム2時間/動画3時間 |
トラッキング | 6Dof | 6Dof |
値段 | 64GB:33,800円(税抜) | 64GB:45,273円(税抜) |
全体的にグレードアップしてますね!
処理能力やグラフィックの向上がかなり期待できるのでVR酔いの軽減の可能性にとても期待しています。
ちなみに旧型では128GBが最大容量で57,091円(税抜)でしたが、新型Quest2では64GBのほかに256GB版44,800円(税抜)が販売されています。
それでは一つ一つの項目を見ていきます
プロセッサ
・旧型のCPU/GPUが共に約倍の処理能力になっています。
・Snapdragon XR2が搭載されたことで処理能力が上がったことで以前よりは重めの処理も可能である期待が持てます。
Questにビルドして起動したらアプリが落ちた、アプリ内でとある処理が重くて落ちるなんて経験はあると思いますが、そういった事が軽減されることが期待できそうです。
ディスプレイ
・旧型の有機ELから液晶に換わっています。
一つ一つの色を独自に発色していた有機ELから液晶に換わることでどれくらい見え方が変わるのか気になるところです。
従来との色の違いに違和感が出る場合は見直しが必要になることもあるかもしれません。
解像度(片目)
・約1.5倍の解像度になっています。
解像度が増えたことで映像の粗さ(スクリーンドア効果)がかなり軽減されている事が期待できるため、より奇麗なグラフィックを目指した作品が作れそうです。
メモリ
・こちらもグレードアップしていることで処理性能の向上が期待できます。
Questで開発時に泣く泣く諦めた処理やエフェクトなんかもQuest2なら表現できるかもしれないという期待を持てます。
リフレッシュレート
将来的に90Hzに対応するとのことなので、90Hzが実装されると処理能力が上がっていることも含めて、処理の遅延を軽減できる期待が持てることからVR酔いがおこる可能性を軽減できる期待が持てます。
バッテリー
持ち時間に変化がないのでバッテリーの維持というよりは処理にアップグレードした分の力を注いでいると考えてよさそうです。
トラッキング
従来と変わらず
『Oculus Rift S』『HTC Vive』との比較
項目 | Rift S | HTC Vive |
---|---|---|
ディスプレイ | 液晶LCD | 有機EL |
解像度 | 1280 × 1440 | 1080 × 1200 |
リフレッシュレート | 80Hz | 90Hz |
どの項目を見てもOculus Quest2は負けていないどころか解像度などかなり性能は上です。
Oculus Rift S の販売が2021年に終了するということでOculus(Facebook)としては、PCVRもこれからはQuestが担っていくかもしれませんね。
比較から見るVR開発の今後
市場拡大とそれに伴う幅広い開発
冒頭でも記した通り、今回は家電量販店での販売も行われていることから一般市場の新規参入者の獲得を狙っているものと考えられます。
Oculus Quest2はそうした新規ユーザーの期待に応えるだけのグラフィック性能と処理能力があり、これからのVRを担っていく存在であるといえます。
また開発者としては、処理能力が上がったことでより幅広い表現と創造をVR空間内に作り上げることが可能になるということであり、これからのVRがもっと世の中に広まるという期待が高まります。
これからのVR開発のスタンダードに
前述の通りOculus Quest2はこれからのVR開発のスタンダートとなり得る存在であり、その市場の大半を占めるUnity開発技術の重要性はVRの発展に不可欠といえるでしょう。
また、VRデバイスはこれからもっと進化し続けていくでしょう。そうしたら今では考えられない世界をVR空間内に作成できる日も遠くはないというワクワクがあります。
最後に
いかがでしたでしょうか。
Oculus Quest2の登場はこれからのVR業界がもっと盛り上がる革新的なものです。
VRデバイスはこれから急速に進化し続けることがOculus Quest2の登場により決定的になったといえると思います。
今はまだ、と思っている方もVRに興味がある方は是非当校の説明会や資料請求を行ってみてください。
VR開発のこれからにワクワクし、期待している人はきっと多いはずです。
一緒にこれからのVR業界を盛り上げていきましょう!!
本記事は第6期エキスパート卒業生の小寺(てらまる)が担当させていただきました。
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