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【イベントレポート】第17回XRハッカソン

2025/08/05

VRアカデミーエキスパートコースのの代田です!
今回は2025年6月28日(土)に開催した第17回XRハッカソンのレポートをします!
今年のテーマは製造業の現場課題という、過去にも増して実践的な内容。 安全教育・作業効率化など、リアルな現場課題をXRでどう解決するのか
――各チームの知恵と技術が光った2週間でした。参加者の視点からお送りします!

目次

◆XRハッカソンとは?

※1ハッカソン…ハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた造語です。プログラマーやデザイナーなどのソフトウェア開発者が、 短期間に競争し開発作業を行うイベントのこと。

 

VRアカデミーのハッカソンはVRエキスパート/ARエキスパート/XRベーシックの各コース受講生がランダムでチーム編成をして、2週間でXRコンテンツを開発する恒例イベントです。今回はアカデミーの卒業生も参加し、在校生と並んで豪華で多彩なメンバー構成となりました。

 

受講開始から3ヶ月目に企業様からテーマをいただき、アプリ開発終了後は審査員と学生たちの前でプレゼンをして企業様と学長、講師陣から評価をいただきます。

 

目的としてはXRハッカソンを通して、企画計画や役割分担、進捗管理など、チーム開発に必要なプロセスやスキルを学んでもらいます。またハッカソンに参加することで、自分のスキルチェックになり、チーム開発の難しさ・楽しさを知るきっかけになります。

 

※ハッカソン参加は強制ではなく任意参加です。しかしながら貴重なチーム開発経験は自身の成長に大きくつながるため、ほぼ全ての受講生が参加されています。

 

◆今回のテーマ

ハッカソン初日は企業様からテーマが発表されます。
今回のテーマは…

「製造業の現場の課題をXRで解決する」

そして

「XR×AI」「XR×ゲーミフィケーション」「XR×〇〇」

 

です。

これらを意識しつつ、現場の安全・効率・教育にどう切り込むかがカギとなりました。このテーマは、日総工産株式会社様より頂きました。

◆チーム編成と初動

テーマ発表後、その場でチームメンバーを発表。
まずは自己紹介をし、お互いの得意分野や経験を共有します。

自分のチームでは初日は以下の流れで進行しました。
・テーマ理解:製造現場の課題を洗い出す
・課題の選定:解決対象を一つに絞る
・方向性決定:解決策の全体像を議論
・役割分担:実装・デザイン・資料作成などを明確化

この時点で「ゴールの共有」がしっかりできていたチームは、その後の開発が非常にスムーズになるとの話を伺ったので、特に初回のミーティングは気合を入れて行いました。

◆開発期間(2日目~13日目)

開発期間はわずか2週間。
短い時間を有効活用すべく、各チームでは以下のような工夫を行っていました! ・進捗報告の徹底 ・Slack・Oviceを駆使し、課題や進捗を毎日共有 ・早期のプロトタイプの作成→改善の繰り返し

 

その中で、私たちのチームでは特に以下の取り組みを行いました。 ・試作を早期に作り、VR酔いやUIの課題を検証 ・高齢者や初心者でも直感的に操作できるよう改善を重ねる ・実装前にFigmaでUI設計を行い、インターフェースの全体像を可視化 ・デザインと機能の齟齬を防止するための事前確認


これらの工夫により、開発期間の短さを補いながら、完成度を高めることができました。

↑ Figmaで作成した絵コンテ

◆発表当日(14日目)

発表当日は朝から各チームが最終調整に追われていました。
15時の提出締切に向けて、動作確認、バグ修正、プレゼン動画編集を同時進行。
時間に追われながらの作業でかなりの緊張感がありました。

アプリ提出が終われば、いよいよプレゼンの時間です。

 

ハッカソンでは、プレゼンが非常に重要です。

作品のコンセプトや内容を動画を交えて10分間プレゼンしていただきました。

今回どのチームも「課題→解決策→デモ→効果」の構成が多く、理解しやすい内容でした。
中には寸劇やインタラクティブ要素を取り入れたチームもあり、会場が笑いに包まれる場面も。

◆ハッカソン作品紹介

今年はバラエティ豊かで、かつ実用性の高い6作品が出揃いました。それぞれの作品をご紹介します。

◾「VR労災チェッカー」(Aチーム)

製造業現場で発生しうる労働災害リスクを仮想空間で再現し、作業者が安全判断を訓練できるVRアプリ。労基法の判断基準をクイズ形式で学べる仕組みが特徴で、教育用途としての期待が高まりました。



 

◾MRリアルタイム可視化支援「WhereWork 360」(Bチーム)

作業者の動線をMRで可視化し、安全管理と作業効率化を同時に実現。現場の「見える化」が一目で分かるUIは、審査員から「すぐに現場で使える完成度」と高評価を獲得しました。



 

◾「作業者覚醒ストループウォーズ」(Cチーム)

認知機能向上を目的とした色・文字判別ゲームをXR化。短時間で脳を活性化でき、作業前ウォームアップとしても効果的。シンプルながら没入感があり、楽しみながら集中力を高められる設計が魅力です。



 

◾お手軽MR教材作成アプリ「EasyMRStudio」(Dチーム)

専門知識がなくても、誰でも手軽にMR教材を作成できるアプリ。教育現場や研修での利用を想定し、撮影から教材化までのプロセスを簡略化。学習コンテンツ制作のハードルを下げる点が革新的でした。



◾「くらベター」(Eチーム)

熟練作業者と新人の作業映像をAIで比較し、改善点を自動フィードバックする教育支援ツール。習熟度を可視化することで、現場の教育効率を大幅に向上させる可能性があります。



 

◾「MR爆弾解除トレーニング」(Fチーム)

精密作業や判断力を鍛えることを目的にしたMRゲーム。制限時間内に爆弾を解除するスリルと集中力トレーニングを組み合わせ、研修やチームビルディングにも応用可能です。



 

受賞結果

プレゼンから1週間後、審査結果が発表されます。
審査は 「課題解決性」「XRらしさ」「UI/UX」「完成度」 の観点で行われました。

■ハッカソン特別特別賞
お手軽MR教材作成アプリ「EasyMRStudio」(Dチーム)

 

 

日総工産様の投票により選定される賞です。
誰でも簡単に教材を作れるというアプローチが、教育・研修分野への応用性を大きく広げると高く評価されました。

 


■XRハッカソン賞
「作業者覚醒ストループウォーズ」(Cチーム)

アカデミーのTA陣の投票により選定される賞です。
認知トレーニングを短時間で楽しく行える点がユニークで、実用性とエンタメ性の両立が評価されました。

 


■アイデア賞
MRリアルタイム可視化支援「WhereWork 360」(Bチーム)

 

現場の動線分析をMRで行うという斬新な発想が評価され、審査員から「現場導入をぜひ検討したい」との声も上がりました。

 

◆まとめ

今回は第16回XRハッカソンの様子をレポートしました。
今回のハッカソンは、例年以上に現場課題解決型の作品が多く見られました。

「誰が・どの場面で・どう使うか」を明確に定義し、それに沿ったUI・操作性を実装できた点が特徴的です。

こまめな進捗共有、柔軟な仕様変更対応、そして最後まで諦めない姿勢が、2週間という短期間での高い完成度を可能にしました。

私たちのチームは惜しくも受賞とはなりませんでした。しかし、受賞できたチームも、そうでないチームも、この経験が必ず次の開発やキャリアに繋がるはずです。

次回のXRハッカソンやVRフェスで、さらに進化した作品に出会えることを楽しみにしています!

 

 

 




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