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【イベントレポート】第15回XRハッカソン

2024/07/06

VRアカデミーTA(Teaching Assistant)の三谷です!
今回は2024年6月29日(土)に開催した第14回XRハッカソンのレポートをします!
実際に参加した受講生の声も併せてご紹介します。

目次

◆XRハッカソンとは?

※1ハッカソン…ハック(hack)とマラソン(marathon)を組み合わせた造語です。プログラマーやデザイナーなどのソフトウェア開発者が、 短期間に競争し開発作業を行うイベントのこと。

 

VRアカデミーのハッカソンはVRエキスパート/ARエキスパート/XRベーシックの各コース受講生がランダムでチーム編成をして、2週間でXRコンテンツを開発する恒例イベントです。

 

受講開始から3ヶ月目に企業様からテーマをいただき、アプリ開発終了後は審査員と学生たちの前でプレゼンをして企業様と学長、講師陣から評価をいただきます。

 

目的としてはXRハッカソンを通して、企画計画や役割分担、進捗管理など、チーム開発に必要なプロセスやスキルを学んでもらいます。またハッカソンに参加することで、自分のスキルチェックになり、チーム開発の難しさ・楽しさを知るきっかけになります。

 

※ハッカソン参加は強制ではなく任意参加です。しかしながら貴重なチーム開発経験は自身の成長に大きくつながるため、ほぼ全ての受講生が参加されています。

 

◆テーマ発表(1日目)

ハッカソン初日は企業様からテーマが発表されます。
今回のテーマは

「高齢者でも楽しめるXR体験を考えよう!」です。

第13、14回XRハッカソンから引き続き小田急電鉄株式会社様より頂きました。

テーマ発表後はチームメンバーが発表され、ハッカソンの話し合いに取り組みます。
最初は顔合わせなので「自己紹介、スキル、今回のテーマの印象」などを話し合いチームの雰囲気を掴んでいきます。

この時TAが各チームを回り、制作活動について直接アドバイスを行います。

写真は現地受講生とオンライン受講生がZoomやOviceを通して打ち合わせをする様子です。

◆制作活動(2日目~13日目)

◾️まずは打ち合わせから!

2日目からはチーム主導で制作活動を進めます。
この初回の打ち合わせ時になるべくチームの方向性を合わせることが重要です!

 

テーマに対する「課題解決」方法のイメージをメンバーみんなでアイデア出しします。

「高齢者が楽しめるXRコンテンツ」とは何か?をブレインストーミング!
最適なアイデアを選定してコンセプトを固めていきます。

 

ご参考までに、この時ハッカソン賞を受賞したチームのミーティングの様子を見てみましょう。

画像のように、初回打ち合わせ前にリサーチを行い、依頼者の課題や高齢者ユーザーの好み、さらには実際の高齢者施設の状況などをまとめていました。

 

 

このリサーチ結果からプロジェクトの達成すべきゴールをメンバー全員で共有しています。

 

 

その後はアイデア出し、コンセプト固め、役割分担とタスクの割り出し、そして今後のスケジュールについて話し合います。

では次に、役割分担とスケジュールを決めます。

先ほどのチームをもう一度見てみましょう。

画像のように、1週間目でコア部分を作成し、2週間目はテストやバグ修正、プレゼンの準備を行うことが理想です。

 

この「テスト」が何回できるかでアプリの質が大きく変わります!!
このチームは実際にご家族にプレイしてもらい、フィードバックから調整を行っていました!

 

最後に次の打ち合わせ日を決めて解散。
その後はSlackを通して進捗報告や意見の出し合いをしていました。↑実際にチーム内で連絡を取り合っている様子

 

 

◾️初回打ち合わせポイントまとめ(WhatとHow)

今回ハッカソン賞受賞という結果を残したチームにインタビューして、打ち合わせのポイントをまとめました!
今後チームビルディングやハッカソンに参加される方のご参考になれば幸いです。

1.みんなの認識を一つにする目線合わせ~「What」~
企業テーマに対する課題調査後、メンバーの方向性を固めるために「What」を明確化しましょう。
「誰のために何をするのか?」チームの目的・目標の目線を合わせましょう。
具体例:
「高齢者が楽しめるXR?」→『高齢者が抱える日々の不満や退屈を解消しよう』
→「不満と退屈の実例として高齢者施設はペット禁止が多い」→『動物と触れ合う安全なXRが良さそう』

※あくまでも一例です。

2.細かい仕様を決める~「How」~
「What」が明確になれば、次に「どうやって」実現するかを明確化しましょう。
具体例:
「どうやって高齢者にプレイしてもらう?」→『VRコントローラーの入力は難しそう』→「ハンドトラッキングで実装しよう」

コンセプト、実装内容が固まれば役割分担もしやすくなりますね!

 

◾️作品発表(14日目)

ハッカソンテーマ発表から2週間後はアプリを最終調整して提出します。
その後すぐに審査員の前でプレゼン!!一番緊張する瞬間です。

 

 

◾️最終調整

 

2週間で制作したアプリを最終調整とプレゼンの準備を行っています。
最後までブラッシュアップするチーム、TAからサポートをもらうチーム、プレゼンの練習をするチームなど、いろんなチームがいらっしゃいました。
今期のハッカソンはどのチームもスケジュール管理やコミュケーションがしっかりしており、現地ではお互いのチームのアプリをプレイし合う様子も見られました。

ちなみに私が受講生の時は提出期限ぎりぎりまで作業し、結果的に締め切り5秒前に提出しました!

アプリ提出が終われば、いよいよプレゼンの時間です。

 

◾️プレゼン

ハッカソンでは、プレゼンが非常に重要です。

作品のコンセプトや内容を動画を交えて10分間プレゼンしていただきました。
今期は審査員数も過去最大の10名という大所帯!!過去一の緊張感が伝わります!

今回どのチームも高齢が抱える具体的な問題を示し、それをどう解決するかを明確にしていました。
また実際のアプリケーション動作を動画で紹介し、ユーザーインターフェースや操作感の説明が非常に良かったです。
特に高齢者向けの配慮(大きなボタン、シンプルな操作、音声案内など)には審査員からの高評価に繋がりました!

◆ハッカソン作品紹介

◾️今回は5チームがアプリを制作しました!各チームの作品をご紹介!

◆「ジオツアー」


コンテンツ内容:
ジオラマパズルを組み立てて、昔の日本の風景を電車の窓から見るような、心温まるVR体験をお届けします。

ジオラマを作る体験と、作成したジオラマに入る体験で、懐かしい思い出に浸ってください!

 

なんと全員がオンラインからの参加です!!

◆「居間でしょ!大阪万博クイズ」


コンテンツ内容:
高齢者が当時を懐かしみながら脳トレ!
思い出話に花を咲かせるだけでなく、来年の万博と絡めることで未来に対する興味にも繋がるコンテンツです。

 

◆「どこでもトレイン」

コンテンツ内容:
5分で旅行に行って帰ってきた「満足感」をお届けします。
【VR×旅行】で「視空間認知機能」と「頸椎(首)可動域」の改善効果に期待!

高齢者向けの操作実装、アクシデント対策、VR酔いにこだわりました!

https://youtu.be/vOyqYlxUBpU

 

◆「うさぎのパン太」

 

コンテンツ内容:
介護業界で注目の「アニマルセラピー」をARに!
シニアの「心と身体の健康」を促進する新しい「MRアニマルセラピー」で高齢者施設が今までできなかったことを実現します!

https://youtu.be/pBUvloHaGi4

◆「train TRAIN」

 

コンテンツ内容:

若々しいシニアライフに必要な三要素 運動、食事、社会とのつながりを満たしたい。 その中でも「運動」やVR体験にピッタリです。 旅行気分も味わえて、 頭と体の体操になる一石三鳥なアプリを是非体験してください!

 

なんと今回唯一の個人参加です!!

 

 

◆ハッカソン受賞作品

◾️プレゼンから1週間後、審査結果が発表されます。
審査員が全チームの作品を体験し、厳正に審査しました。

今回は上位3チームをご紹介します。

■Teacher賞
「ジオツアー」

 

VRアカデミーのTA陣の投票により選定される賞です。
今回生徒からも多くの票数を稼いだ「ジオツアー」が受賞!

 

審査員評価;
作成したジオラマに入る没入体験と、シンプルなハンド操作の実装が高評価に!
そして制作発表後のチームコミュニケーションが良く、楽しんで制作されていたことが賞受賞に繋がりました。

■ハッカソン賞
「うさぎのパン太」

審査員評価:
小田急電鉄運営のサ高住「レオーダ」はペット禁止という事例に、アニマルセラピーという切り口や日常に触れ合えるARのコンセプトが素晴らしい!ビジネスという目線をしっかりとらえた中、誰のためにに何をというところを一番意識した作品だった。

 

■小田急電鉄賞 最優秀賞
「居間でしょ!大阪万博クイズ」

 

審査員評価:
2週間で3Dモデルをフルスクラッチし、多くのギミックを簡単なインタラクションに落とし込む企画力と開発力が素晴らしかったです。
ネーミングから体験が分かりやすく、80代の方々が当時20〜30代の若者の思い出をクイズにする切り口として「脳トレ」に繋げるストーリーがよくできていました!

 

今回どの作品も「高齢者が楽しめるXRコンテンツ」というテーマに対して非常に魅力的かつ力のこもった作品が発表され、審査員も思わず「ここまで考えてくれるなんて思わなかった!」と感動していました!

◆まとめ

今回は第15回XRハッカソンの様子をレポートしました。
「高齢者が楽しめるXRコンテンツ」という難しくも社会性のあるテーマでしたが、
高齢者の方々が実際に楽しめるインターフェースやコンテンツの設計に対して、どのチームも細心の注意を払って取り組んでいました。

特に、操作の簡便さや視覚に配慮したデザイン、プレイ中の安全性まで考えられているチームもいて、
短期間でここまでのクオリティの作品を作ることに審査員の方々も驚きを感じていました!

さらに、受賞できたチームもそうでないチームも、最後までやり抜いたことが成長に繋がったのではないでしょうか。
特に受賞できなかったチームの一人から「使ったことがない技術での開発に挑戦して、成長することができた!」との感想をもらえたことが印象的でした。

次回は9月のVRフェス&Vアカオーディションです。今回の経験を活かして、後半の授業や作品制作を一層頑張ってください!!

 

 

 




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