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【イベントレポート】第12回VRアカオーディション&VRフェス
2023/03/04
VRアカデミーのTA&講師の山下です。
2023/3/4(土)に、12回目のVアカオーディション&VRフェスが開催されました。
早速、体験レポートを共有させて頂きます。
目次
◆Vアカオーディション&VRフェスとは?
VRアカデミーの受講生が、自身の修了作品をお披露目する会です。
毎年3月と8月に開催され、大きくオーディションとフェスの2つで構成されています。
オーディションでは、xR業界を代表する企業の方々が審査員として参加され、受講生のプレゼンや作品を体験して、審査頂きます。フェスでは、xRの認知・普及をコンセプトとして、一般のお客様に受講生の修了作品を体験してもらう無料の展示会となります。
受講生にとっては、自身のスキルを企業にアピールしたり、自分の作品を大勢の方に楽しんでもらう会となり、自身が約半年~1年学んできたことの集大成となります。
今期は35作品がエントリー。審査員も23名がお越しくださり、例年以上の盛り上がりとなりました。
◆会場
今回は初めて、小田急電鉄株式会社様が運営する、XR Communication Hub NEUUにて開催させて頂きました。新宿駅近くで交通の便が良いためか、多くの体験者にお越し頂きました。
↑ NEUU会場
↑ 1Fでエキスパートコースの作品を出展
↑ 6Fでビギナーコースの作品を出展
◆Vアカオーディション
午前中に開催されるオーディションでは、今期のAR/VRコース受講生が全35作品のプレゼンを行いました。
1組の持ち時間(2分30秒!)で、プレゼン動画と説明、およびプレイ動画を行います。
かなり短い持ち時間の中で、受講生は作品の魅力を最大限アピールできるよう工夫して発表しており、
審査員からも「今期はトップクラスでプレゼンが上手い」との評価も頂きました!
また今回も、VRアカデミーが独自に開発したVR同時配信システムを利用し、審査員全員が被ったVRゴーグル(Pico4)に各作品の360°プレイ動画を同時配信して審査してもらいました。
↑ 基本プレゼン動画が中心ですが、口頭でも工夫したポイントをしっかりアピール
↑ もちつき体験の作品チームは、杵の小道具で臨場感を高めたことをアピール
↑ 審査員も真剣に評価します
◆VRフェス
オーディションが終了後、少しの休憩と準備を挟み、午後からVRフェスが開催されます。一般のお客様が入場され、受講生の作品を体験して頂きます。
今回は新宿駅から近いこともあり、お子様連れをはじめ様々な年齢層の方にお越し頂きました。
特に今年は、現在VRアカデミーでしか実施していない、Meta Quest Proの学習を活かしてMR作品を出展する受講生もおり、多くの方にMR体験もお届けすることができました。
またオーディション審査員の方々も、プレゼンで気になった作品を実際に体験します。受講生としては、自身のスキルをアピールする絶好の機会となるため、真剣に応対していました。
↑ 作品を体験してもらっています
↑ 魔法の絨毯に乗って空を飛ぶVR作品。実際に絨毯を持参されていました
↑ 今回から Meta Quest Pro でのMR作品も出展されました
◆懇親会
VRフェスが終了すると、最後に受講生の健闘を称えて、懇親会が開催されます。受講生や審査員も交えて、軽食を食べながら交流します。
さらに特別イベントとして、世界中でパフォーマンスを行っているギターマンの田内洵也さんにお越し頂き、生ライブをプレゼントしてもらいました。受講生の皆さんも、これまでの頑張りや苦労を思い出しながら、プロの生歌に聞き入っていました。
田内さん、本当にありがとうございました。
↑ おしゃれな軽食
↑ コース関係なく、作品について交流していました
↑ 特別イベントで、田内さんの生ライブ!
◆審査発表会
懇親会中に、審査結果が発表されます。
今回は7つの賞を準備しました!審査員の方々も、例年以上に悩んでいた印象です。
・プレゼン賞:Vアカオーデイションで、最もプレゼン評価が高った作品に贈られる賞です。
・アート賞:デザインや雰囲気など、芸術面での評価が高い作品に贈られる賞です。
・技術賞:エンジニアの目線で見て、技術的な評価が高い作品に贈られる賞です。
・体験デザイン賞:審査員が実際に体験し、最もxRらしい体験ができたと感じた作品に贈られる賞です。
・AR賞:AR作品の中で、優秀だと評価された作品に贈られる賞です。
・オーディエンス賞:当日来場したお客さんから、最も面白いと評価された作品に贈られる賞です。
・審査員特別賞:審査員の方々が選んだ、今回最も優秀な作品へ贈られる賞です。
■プレゼン賞
プレゼン賞は、VRベーシックコースのチームOTRIGINの作品「CANADEL」でした!
「モノを集める旅をしながら音楽を作る」というコンセプトのVR作品で、作品中に流れる音楽もチームメンバが作詞作曲をしたという力の入れよう。
作品としても素晴らしいのですが、世界観とストーリーを短いプレゼンの中でしっかりとアピールした点が評価されました。
↑ プレゼン賞を受賞したチーム OTRIGNの皆さん
■アート賞
アート賞は、VRエキスパートコースの八木さんの作品「Tokyo Night Bloom」でした!
東京の夜空を自由に飛び回り、敵を銃や刀で倒していくVRゲームです。
東京の都市モデルは、国土交通省が公開している3D都市モデル「PLATEAU」をベースにしているのですが、PLATEAUは高精細なため、そのままVRデバイスで動かすのは性能面で非常に難しいです。
その点を、様々なCG技術を駆使して丁寧に3Dモデルを軽量化し、かつ綺麗に見えるよう工夫した点が評価されました。
↑ アート賞を受賞した八木さん
■技術賞
技術賞は、VRとARエキスパートコースを両方受講されている高野さんの作品「Pull The Rope」でした!
砲台から玉を発射して的当にあてるアトラクションを、自宅でいつでも体験できる作品です。
Meta Quest ProによるMRアプリの実装だけでも技術力が必要なのですが、「砲台から紐を引っ張って球を出す」「UniRxによるMVRPパターンで設計」「Addressablesによるステージ追加の仕組み」など、保守性や拡張性を見越した設計をしている点も評価されました。
↑ 技術賞を受賞した高野さん
■体験デザイン賞
体験デザイン賞は、VRエキスパートコースの渋谷さんの作品「時を駆ける風」でした!
時を自在に操り、自分なりの木を育てる体験ができる作品です。
木に登る、時を操るなどのVRならではの体験ができるのに加え、「VRは体験そのもの」という信念のもと、体験者が迷わないように非常に考え抜かれたUI/UXが評価されました。
↑ 体験デザイン賞を受賞した渋谷さん
■AR賞
AR賞は、ARエキスパートコースの小菅さんの作品「MR Spiritual」が受賞しました!
現実空間に現れた部屋入ることで、現実と仮想の入り混じった体験ができる作品です。
Meta Quest Proで開発した作品で、「仮想の部屋の窓から現実を覗くと見え方が変わる」など、MRならではの体験ができる点が受賞の決め手となりました。
↑ AR賞を受賞した小菅さん
■オーディエンス賞
オーディエンス賞はなんと、3チームが同率で受賞されました。
1つ目は、プレゼン賞も受賞した「CANADEL」です。
プレゼンだけなく、作品としても完成度が高く、多くの投票を得ていました。
↑ チームOTORIGINの皆さん (2回目!)
2つ目は、VRエキスパートコースの受講生チームで開発した、「RUNE MAGIC」です。
指でルーン文字をなぞることで魔法が発動し、敵を倒すVRゲームです。
ディレクション、UI/UX、プログラミングにそれぞれ強みのある3人が協力して開発しており、完成度はトップクラスでした。AppLabにも申請中なので、だれでも気軽に体験できる日も近そう。
↑ RUNE MAGIC 開発チームの皆さん (VRエキスパートコース)
3つ目は、ARベーシックコースのチームちいかわの作品「みんなでARビューイング」です。
ARによりいつでも仮想ライブを見ることができるのですが、この作品はさらに仮想キャラクターと会話したり、一緒に写真を撮ることができます。
非常に賑やかな作品で、一般のお客様も非常に楽しめる作品でした。
↑ チームちいかわの皆さん
■審査員特別賞
そして栄えある審査員特別賞は、VRエキスパートコースの杉崎さんの作品「山猫は眠らない2077」でした!!
ライフルで狙撃してスコアを競うVRゲームなのですが、ゲーム性/グラフィックス/アトラクション性といった、全ての面で完成度が高い作品でした。
さらにライフルのモデルガンとMeta Questのコントローラをマイコンで連動させ、実際に銃を撃った振動を表現しており、狙撃する際に銃を安定させることの難しさをリアルに体験できます。
審査員にも「隙が無い」「もう一度遊びたい」と言わしめた、文句なしの受賞でした。
↑ 特別賞を受賞した杉崎さん

↑ 特別賞では、VRゴーグルを装着しながら被れる特別性のマスクもプレゼント!
↑ 作品の体験の風景。モデルガンのライフルのトリガーとVRコントローラが連動しています!
◆修了式
VRフェスの翌週に、修了式を行います。
ここでも、追加で2つの賞が贈られます。VRフェスから修了式の間に、TAや受講生同士で作品を体験してもらい、その結果で選ばれるものです。
・Teacher賞:VRアカデミーの講師やTA(Teaching Assistant)からの評価が高い作品に贈られる賞です。
・Student賞:VRアカデミー受講生に体験してもらい、最も評価が高かった作品に贈られる賞です。
■Teacher賞
VRベーシックコースのチームななめうえの作品「WeWoTa」でした!
両手のオタ芸用ペンライトを、向かってくるオブジェクトをリズムに合わせて当てていくVR音ゲーです。
ゲーム性が楽しかった点はもちろんですが、中間報告のフィードバックをしっかりと活かし、ベストな操作性をチームとして追及していた点も評価されての受賞となりました。
↑ チームななめうえの皆さん
■Student賞
Student賞は、なんとこちらも、以下の3作品の同率受賞となりました。
いずれもVRフェスで受賞した作品で、受講生からの評価も高い結果となりました。
特にCANADELは、プレゼン賞、オーディエンス賞と合わせてトリプル受賞!!脱帽です…
1. CANADEL (VRベーシック、チームOTRIGIN)
2.Tokyo Night Bloom (VRエキスパート、八木さん)
3.山猫は眠らない2077 (VRエキスパート、杉崎さん)
↑ Student賞を受賞した皆さん
◆最後に
第12回VRフェス&オーディションも、無事終了しました。
今回は初めて新宿のNEUUで開催させてもらいましたが、多くのお客様にお越し頂くことができ、大成功だったと思います。
また、今回の修了作品の一部は、NEUUにて展示させて頂く予定となっています。興味がある方は、ぜひ会場にお越し頂けますと幸いです。
今回VRフェスと同時に、U-15メタバースプログラミング講座という、小中学生の作品も展示していました。別のブログで掲載されていますので、そちらも見てみてください。