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【イベントレポート】第13回XRハッカソン(Part2)

2023/07/04

VRアカデミーTAの山下です。

受講生の恒例イベント「XRハッカソン」を、TA(Teaching Assistant)の立場からレポートします。

受講生の立場からのレポートもありますので、そちらもぜひご覧ください。

 

目次

◆XRハッカソンとは?

XRハッカソンは、受講から3か月目に行われる恒例イベントです。企業様から頂いたテーマを解決するためのXRコンテンツを、2週間の短期間で開発します。

ハッカソンの大きな目的は、「実践を通して、チーム開発で必要なスキルを学び習得する」です。XR開発(ソフトウェア開発全般に言えますが)は、個人の技術スキルだけでなく、チーム内でのコミュニケーションが非常に重要です。実際の開発業務では、チームで協力しながら業務を進めるケースが多いためです。

そのため、XRハッカソンを通して、企画計画や役割分担、進捗管理など、チーム開発に必要なプロセスやスキルを学んでもらいます。

また、別コースのため普段は出会わない受講生同士で交流することで、横のつながりを広めたり、受講三か月時点での自分の実力を把握する場としても活用いただけます。

ハッカソン参加は強制ではなく任意参加です。事前連絡頂ければ辞退することも可能です。とはいえ、ほぼ全ての方が参加されています。

 

◆テーマ発表 (1日目)

ハッカソン初日は、テーマとチームが発表されます。今回のテーマは、小田急電鉄株式会社様より頂いた、「西新宿で働く人に、心地よい疲れと爽快な気分をコンテンツで届けよう!」です。西新宿で働くワーカーを対象に、心地よい疲れと爽快な気分を体験できるコンテンツを作ります。

この日はチームも発表されます。今回はVRで8チーム、ARで4チームで計12チームとなりました。各チームはベーシック/エキスパートコースの混同となります。各チームにはXRハッカソン経験者が必ずいるため、初めて参加されるメンバーも安心して取り組める体制となっています。

また今回は、VRアカデミーが独自に開発したVRイベントシステムを利用し、VR空間上でテーマ発表を行いました。

通信障害などでご迷惑をおかけした場面もありましたが、今後さらにブラッシュアップし、次回のVRフェスではVR空間でオーディションを開催したいと考えています!

 

↑ VRイベントシステム (VR空間の様子)

◆制作活動 (2~13日目)

テーマ発表が終わった後は、チーム主導で制作活動を進めます。講師やTAはもちろんサポートしますが、なるべく自チームで解決するよう取り組んでいただきます。

■チーム編成

チームメンバーは年齢や住んでる場所はもちろん、ハッカソン活動に使える時間、スキルレベルがバラバラです。毎年ですが、最初にお互いのスキルセット(=できること)と、この2週間で制作活動にとれる時間を共有し、それを考慮して計画や作品の完成度をコントロールしたチームが、最後まで協力して良い作品を作っていたと思います。チームの強みを把握した作品の企画や、正確なスケジュール、開発の優先順位を考えることができるためです。

■企画

今回のテーマを踏まえ、どんなものを、どれくらい作るのか企画します。

テーマをベースに、誰にとってどんな価値を提供するのか、アイデアをチームで話し合いながら考えます。

コミュニケーションはZoomやSlack、ファイル共有はGoogle DriveやGitHubを使うのは従来通りでしたが、アイデア出しや進捗管理にMiroやNotion, Figmaを利用するチームもあり、多様なツールを使いこなしていました。

企画がある程度固まったら、作品の体験の流れを具体的に考え、そこから開発タスクを抽出します。その後、各タスクの担当とスケジュールを具体的に考えていきます。

全体を見ての所感ですが、「作品の体験の流れを図で表現→作るべき項目を洗い出し→工数を見積もり→優先順位をつける→担当とスケジュールを決める」の流れがしっかりできているかで、作品の完成度やクオリティに差が出るポイントであると感じました。

↑ ゲーム(体験)の流れを図を使って表現

↑ フローチャート図で処理の流れを表現

↑ 開発項目が洗い出せたら、ガントチャートでスケジュール管理

■開発

企画やスケジュールが決まったら、実際にコンテンツを開発していきます。

開発では、プログラミングはもちろんですが、その他にもCGモデルや音声などの素材集め、アプリの動作確認、進捗管理、発表資料の作成なども必要です。そのためプログラミングやUnityの経験が浅い方でも、それぞれの得意分野やチャレンジしたいことを踏まえて様々な役割で活躍されていました。

また今回から、受講生の自習用にoViceというオンライン会議サービスを利用しているのですが、 このサービスを利用して頻繁にミーティングを行い、進捗や個人の問題を共有し、互いにフォローたり、スケジュール見直しを行っていました。

 

↑ 平日の夜は受講生でoViceがほぼ満員に

 

◆作品発表(14日目)

テーマ発表から2週間後の発表日は、最終調整とプレゼンを行います。

今期も、新宿のNEUUで開催させて頂きました。

 

■最終調整

最終調整では、作品の提出やプレゼン準備を行います。基本は作品の最終調整やプレゼン準備ですが、まだ作品に問題がある場合は、講師やTAが全力でサポートします。

今期はどのチームもスケジュール管理がしっかりしており、ほとんどは作品の微調整や発表準備を、余裕をもって行っていました。また今回は、発表内容をチーム全員で意識合わせしたり、発表練習を何度も行うなど、プレゼンに向けてかなり入念に準備しているチームが多かったです。

↑ 最終調整の様子

↑ ARチーム(パススルーアプリ)はMeta Quest 2, Proで動作検証

↑ 普段は遠方でオンライン受講の方もお越し頂き、かなり賑やかに

↑ アプリ調整の他に、プレゼン準備も並行して行います

↑  この日は学長もサポートいただきました

■プレゼン

最後は、プレゼン発表を行います。

発表3分+プレイ動画1分という短い時間で、作品のコンセプトや内容をわかりやすく、魅力的にプレゼンし、審査員にアピールします。

各チームとも、自分たちの作品に込めた思いやコンセプトを、様々なアプローチでプレゼンしており、審査員も真剣に評価していました。

今年は、全体的にプレゼンのレベルが高く、TAや講師陣も驚きました!「ハッカソンではプレゼンも作品と同じくらい重要」という意識がかなり高かったとも思います。

↑ 審査員(最前列)と受講生に対してプレゼンします

↑ 発表時間は短いので、コンセプトが端的にわかるようなプレゼンが重要

↑ 作品内容もコンパクトに伝わるように

↑ プレイ動画も重要なアピールポイントです

↑  技術要素含め、注力ポイントもしっかりアピール

◆審査発表

作品発表から1週間後、審査発表が行われ、4つの受賞作品が選ばれました。

■Teacher賞

VRアカデミーのTA陣の投票により選定される賞です。今回は、VRチーム5の作品「All you can throw!」が受賞。

新宿の街で物を投げることで、壁にペイントして遊べる作品です。爽快感を感じながら運動できます!

作品クオリティもプレゼンもレベルが高いのに加え、活動期間中も密にコミュニケーションをとって取り組んできた姿勢が受賞の決め手となりました。


↑ プレイ動画

↑ チームの皆さん

■XRハッカソン賞

プロの審査員により選定される賞です。今回は、VRチーム8の作品「DODGE DOTTI」が受賞。

リズムに合わせて人混みを避けることで高スコアを狙う作品です。

世界観がポップで美しく、かつ作品全体の完成度の高さが評価されました。導入シーンなど含め、有料ゲームのようなクオリティでした!


↑プレイ動画

↑ チームの皆さん

■小田急電鉄賞(AR部門)

テーマを頂いた小田急電鉄株式会社様により選定される賞です。AR部門では、ARチーム3の「仕事帰りに西新宿でゾンビを倒してみた」が受賞。

電車から出てくるゾンビを電車型の剣で倒す作品です。電車を模した剣で大量のゾンビを切る爽快感や、実際の設計図を基にCADで電車の3Dモデルを作るなど、随所に見せるこだわりが評価されての受賞になりました。


↑ プレイ動画

↑ チームの皆さん

 

■小田急電鉄賞(VR部門)

小田急電鉄賞のVR部門では、VRチーム1の「ウォーカブル」が受賞。5分間で2種類の筋トレができるコンテンツで、短時間で様々な運動ができる点、座ってでもできるため車椅子の方もプレイできるなど幅広い層に受け入れやすいコンセプトが決め手となりました。


↑ プレイ動画

↑ チームの皆さん(当日は全員オンライン)

◆まとめ

今回の第13回ハッカソンも、全チームが作品を提出でき、大成功となりました。受賞作品と一部の作品は、NEUUにて一般展示させて頂く予定ですので、ぜひ体験してみてください

受講生の皆様におかれましては、仕事や学業で時間が取れない中で、初のXRアプリ開発だったと思いますが、個人としてもチームとしても工夫して最後までやり切ったことは、非常に大きい経験となったと思います。

今年のVRチームは、作品のコンセプトをしっかり固めているチームが多く、作品もそのコンセプトがわかる大事な機能をしっかり作りこめていた印象です。企画や進捗管理のレベルがかなり高かったと感じました。

ARチームは、スマホアプリはLightShip SDK、ARゴーグルアプリはMeta Quest Proを使っていました。AndoroidやiOSのデバイスの違いや、まだ授業で習っていないパススルーを使ったアプリ開発など、難易度の高さに苦戦したチームが多かったですが、チーム一丸となって乗り越えて作品まで仕上げていた印象です。ちまたで余り情報がない技術に対するリサーチ力やトラブルシューティング能力がかなり上がったのでは、と思います。

次回は9月のVRフェス&オーディションです。今回気づいた自身の得意分野や改善点を活かせるよう、後半の授業や作品制作を頑張っていきましょう!

◆おわりに

VRアカデミーはVRコンテンツ開発企業に就職・転職を目指す方を支援しています。また、それ以外にも社内でのキャリアアップや新規事業の開発、個人的な趣味としての受講にも最適です。

様々なバックグラウンド・年齢層の方が受講されており、かつオンラインからでも受講できます。まずはお気軽にオープンキャンパスや説明会に参加してください。お待ちしています!

 

 

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日  時:毎週土曜日開催 11:00〜18:00 
場  所:XR施設『NEUU』(新宿駅西口から徒歩3分)
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